損害保険・保険価額の設定

保険価額とは、被保険利益を金銭に見積もった金額のことです。

つまり、保険価額というのは保険事故発生時の損害最高見積額のことであり、保険会社が支払う保険金の最高限度額という意味があります。

保険価額を設定する理由は、利得防止のためといわれています。
損害保険は法律上、保険金の支払いによる利得を禁止しています。
したがって、保険事故が発生しても、保険価額を最高限度に保険金が支払われることとなっています。

たとえ保険価額を超過して保険契約を結んでいたとしても、保険価額を超過した分は無効となってしまいます。
契約する際には、保険価額に相当する保険金額を設定することが大切です。

けれども実際のところ、保険価額は保険事故の発生後に算定されるため、契約の締結時には金額が明らかになりません。
そのため、無駄なく保険金額を設定しようとしても、いくらで契約すればよいか、判断に困ることになります。

そこで商法では、協定保険価額制度をという制度を設けて、これに対応しています。

協定保険価額制度とは、保険会社と契約者のあいだで事前に保険価額を相談し、その金額を保険金額として設定するという制度です。

保険金額を設定する際、原則として、保険事故が発生した時点の「時価」が保険価額になります。

契約時の時価で保険金額を設定すると、超過保険になる可能性があります。
このような理由により、協定保険価額制度を設けることで、保険料の無駄を防ぐことができるのです。

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